『数学を築いた天才たち[下](講談社ブルーバックス)』(スチュアート・ホリングテール; 岡部 恒治, 有田 八州穂, 伊藤 博明, 伊藤 和行, 川崎 利明, 仁科 弘之, 中宮寺 薫, 藤田 佳世)
(原書)MAKERS OF MATHEMATICS, STUART HOLLINGDALE
歴史の本です。
数学の生い立ちをコンパクトにまとめた本。
(数学の歴史を、数学史といいます。)
アルキメデスは なぜ 放物線や微積分などの先駆的仕事をしたのか
中学に入って教えられるようになる数学。
しかし実際に教えられるのはほとんどが計算。
歴史を教わる機会はなかなかありません。
何度も読むものではないと思いますが、一度は読んでおきたい本です。
図4.2は中学のうちに知っておくと得。
僕がこの本を読んだのは・・・小中学生のときだったと記憶しています。
数学というと難しそうな印象を受けるかもしれませんが、ブルーバックス自体、一般向けに書き下ろされたものなので、一般の方でも無理なく読めると思います。
どこから読み始めても問題なく読めるので、読めないところはとばしても大丈夫。d(・・。)
印象に残った7歴史
- 第1章の古代数学
- エジプトの分数構成・計算の仕方、これは新鮮。エジプト数学で使われる分数の話は知っていましたが、計算方法までは知りませんでした。
そしてバビロニアの数学。古代数学というと、エジプトぐらいしか知らなかったんですが、バビロニアで研究されていた数学がものすごく高度であることに驚きました。プリンプトン322という粘土板に記されている。- 図4.9
- こういう考え方そのものに驚いた。
- 第6章14〜
- 3次、4次方程式の解放。解放そのものではなく、2次方程式を解けるようになってから3次方程式が解けるようになるまでのインターバルの長さに驚いた。紀元前2000年に方程式の解放が始まって、古王朝期バビロニアでは2次方程式が解けるようになっていたのだが、その後3次方程式が解けるようになったのが16世紀。
3次方程式を初めて解いたのはカルダーノだと思われがちですが、カルダーノは他人の理論を発表しただけ。詳しくは第6章14、15で。解き方も書かれています。(“3次方程式 解の公式”で検索してくる人が多いんです。今まで紹介した本を読んでいれば十分解けるはずなんですけど・・・そういうわけで3次方程式の解について詳しく書かれた本を数日後にまた紹介します。)
カルダーノは、○○○○・カルダーノ。○○○○っていったらあの・・・。
4次方程式の解放を見つけたのは△△△・×××××。×××××といったらアレですよね。△△△っていったらもう・・・。マリオカートかw- 表8.1 & 11.4
- 微積分を作った人が構築した「パスカルの三角形」拡張版。
ニュートンとライプニッツが拡張した“パスカルの三角形”が興味深い。級数展開は知っていますが、こんな拡張があったとは全く知りませんでした。(第7章12に書かれていますが、パスカルの三角形は、パスカルが発見したものではなく・・・)
ニュートンとライプニッツは別々に研究をして、先に微積分の理論を構築したのがライプニッツ。遅れて構築したのがニュートン。- イラスト12
- この時代の本にはこんな絵があったのか。日本では考えられんな。
- 第15章2
- ハミルトン。現役数学者のアノ人みたい。
- 第15章6
- 今では“コレなしでは数学は語れない”。そういうものが、結構遅い時代にできていたなんて思いもしませんでした。
最後はアインシュタイン。
なぜアインシュタインが数学史の本に載るのか。
それは、以前紹介したエルディシュの本に書いてあります。
アインシュタインは数学をどう思っていたのか。
このブログ、“正十七角形 作図”や“正五角形 作図”で検索してくる人が多いです。
正五角形、正七角形は以前記事にした本に詳細に書かれているんですが・・・。
この本では、正17角形についての詳しい説明と、正257角形、正65537角形についての説明が書かれています。下巻のガウスのところと、下巻巻末に。
正257角形については××世紀に実際に作図が行われた、と、この本に書かれています。
詳しくは
Hardy, G.H. and Writt, E.M.,
Klein, F.,
に書かれているそうです。
ついでに・・・
“黄金比”で検索してくる人も多い。
これも、以前紹介した本やDVDに書かれていますが、この本にも書かれています。
おもしろいのはDVD。簡潔にまとめてあるのは前の本。
歴史の一部として紹介しているのがこの本。ピラミッド等とも関連付けて説明してあります。
約700ページ。
逸話もかなり含まれているので、トリビアといえばトリビアです(笑)
目次は、
- <上巻 ギリシア数学からニュートンへ>
- 1.期限
2.初期ギリシア数学
3.ユークリッドとアポロニオス
4.アルキメデスと後期ヘレニズム文化
5.長い幕間
6.ルネサンス
7.デカルト、フェルマ、パスカル
8.ニュートン
9.ニュートンのプリンキピア- <下巻 そして、アインシュタインへ>
- 10.ニュートンの仲間たち
11.ライプニッツ
12.オイラー
13.ダランベールとその時代の人々
14.ガウス
15.ハミルトンとブール
16.デデキントとカントール
17.アインシュタイン
付録
参考文献
訳者あとがき
アインシュタインのあたりでは、物理を学習する上で役に立ちそうなことも書かれているけれど、メインが歴史なので、物理の学習のためにこの本を買うことはお勧めしません。
数学を、“歴史”という観点から眺めたことはありますか?
『数学を築いた天才たち[上](講談社ブルーバックス)』(スチュアート・ホリングテール; 岡部 恒治, 有田 八州穂, 伊藤 博明, 伊藤 和行, 川崎 利明, 仁科 弘之, 中宮寺 薫, 藤田 佳世)
『数学を築いた天才たち[下](講談社ブルーバックス)』(スチュアート・ホリングテール; 岡部 恒治, 有田 八州穂, 伊藤 博明, 伊藤 和行, 川崎 利明, 仁科 弘之, 中宮寺 薫, 藤田 佳世)
(原書)MAKERS OF MATHEMATICS, STUART HOLLINGDALE
この本に出てくる人の名前を拾って載せてみました。一部。
http://eeoe.seesaa.net/article/22875280.html
こんな人が出ています!
煩雑になるのを防ぐため、裏ブログに載せました。
http://eeoe.seesaa.net/article/22875280.html
こんな人が出ています!
煩雑になるのを防ぐため、裏ブログに載せました。




